「終活」としての遺影撮影を

この写真は、僕の祖父を撮ったものです。
20歳のころ、郷里の和歌山を出て、東京の写真専門学校に通っていた僕は、
たまに帰省した時におじいちゃんの写真を撮っていました。
農作業で日焼けして深いしわが刻み込まれたおじいちゃんの顔は、
まだロクに技術の無い僕が撮ってもかっこいい写真が撮れてる気がして、
お気に入りの被写体でした。
でも、撮った写真を本人に渡したことはありませんでした。
そのことを心から後悔したのは、数年後に祖父が亡くなった時、
葬儀で使われた遺影を見た時でした。

その頃僕はカメラマンとして独り立ちしてそれなりに忙しく、
祖父の葬儀の日にも仕事が入っていました。
その夜、東京のスタジオで撮影を済ませ、
夜通し和歌山の実家まで車を走らせて、
ようやくたどり着いて見た遺影写真の衝撃は今でも忘れられません。
それは、どこかの旅行先で撮った集合写真から無理やり引き伸ばして、
首から下を黒服にすげ替えた、ボケボケの、解像度の低い写真でした。
そんな写真ではなく、
せめて僕の撮った、孫のカメラに向かって普段通りの
優しくも凛々しい表情の写真で、
家族や友人たちとのお別れをさせてあげたかったと、
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

この度、出張専門の遺影写真館を開くことにした動機の一つに、
この、祖父の葬儀の時に感じた後悔があります。

葬儀に使われる遺影の多くは、
亡くなられてからお通夜の間までの限られた時間の中で、
それまでに撮られたスナップ写真からご家族が選ばれることがまだまだ多いようです。

でも遺影は、
いわば、ひとりひとりがこの世に遺す最後のメッセージです。
だとすれば、亡くなった後に、
誰かが急ごしらえで用意したものではなく、
まだ生きているうちに、自分の好きな場所で、
家族や友人たちとくつろぎながら撮影した、
自分で納得のいく写真で、
最期のお別れをしていただきたいと思うのです。

最近少しずつではありますが、「終活」との言葉とともに
身辺整理やご自分が亡くなられた後の家族のことなどを
タブー視することなく活動される方々も増えてきているようです。
ぜひその「終活」の一環として、
遺影の撮影を考えてみてはいかがでしょう。

また、ご高齢のご家族がいらっしゃる皆さまには記念日などでの
プレゼントとしての写真撮影はいかがでしょうか。
昨今モノ消費からコト消費への変化などが語られるようになってきましたが
写真撮影では撮影というイベント事とその後に写真が届けられる
モノ消費コト消費の両方が兼ね備えられている
そういったプレゼントになるのではないでしょうか。

出張専門遺影写真館「セカンドスパイス」とは?

[point 1] ご自宅や仕事場などお好きな場所で撮影します。

「セカンドスパイス」はスタジオを持たない写真館です。
思い出にあふれたご自宅や、愛着のある仕事場、その他、お気に入りの場所にフォトグラファーが出向いて撮影いたします。

[point 2] 一日に一組限定。時間をかけて、納得のいく遺影を撮影します。

「セカンドスパイス」の遺影撮影は一日に一組限定。時間の制限も特にありません。そのため緊張がほぐれるまでのんびりとお話しをしながら、時間をかけて、ふだん通りの素敵な表情が撮れればいいなと考えています。別途料金は掛かりますが撮影する際のヘアメイクの手配などもお気軽にご相談ください。

[point 3]撮影データはすべてお渡しすることもできます。

「セカンドスパイス」ではご希望があれば撮影した写真データをすべてお渡しいたします。(ディスクに焼いてお渡します)。そのため遺影としてだけではなく、ご親戚に配ったり、SNSや身分証明書に転用したりとさまざまな使い方ができます。
または、ご自分たちでは写真の枚数が多すぎて選べないかた向けには
フォトグラファーが厳選した写真をA4のインデックスプリントに並べて
お渡しすることもできます。

別途ご希望があればシミシワなどの修正をしてプリントでの納品もいたします。

PCでの画像取り扱いに慣れている方からまったく不慣れな方まで
様々なお客様のご要望に合わせた納品方法を柔軟に取り入れてまいります。

「セカンドスパイス」フォトグラファー 

はじめまして下坂敦俊と申します。
このたび信州松本に写場を持たない写真館として
写真館「セカンドスパイス」を開設いたしました。

20代後半からフリーランスフォトグラファーとして、
東京を中心に舞台撮影や、それに付随するポスターやパンフレットなどに使うポートレイト撮影、
そしてビシネス誌からエンターテイメント系まで、
幅広い雑誌で活動してきました。(詳細はサイト内worksをご覧下さい)

妻の仕事の都合で始まった横浜と松本での約10年間の2拠点生活を経て
2023年春に横浜を引き払い、信州松本へ移住してまいりました。
これからはこの水清く、緑豊かな松本の地を本拠地として、
「遺影撮影専門フォトグラファー」として活動していきます。
よろしくお願いいたします。

下坂敦俊のプロフィールはこちら。

料金

・遺影撮影─── 一人当たり10,000円
(一日一組限定。時間制限、撮影カット数制限なし。
撮影料+出張料+撮影データディスク代含む)

・プリント代───A4サイズ一枚5000円(シミシワ加工有り)
・プリント代───2Lサイズ一枚3000円(シミシワ加工有り)
・インデックスプリント代───A4サイズ一枚1000円(1枚に12枚程度の小写真が並んだもの)

※撮影場所は松本市とその近郊に限ります。
遠隔地の場合は、別途交通費を申し受けます。

・支払い方法

撮影後納品時までにお支払い下さい。
現金、銀行振込、クレジットカードキャッシュレス決済も可能

お問い合わせ、申し込み

もっと撮影について詳しく知りたい、
ご自分の希望通りの撮影が出来るか知りたい、など、
どんな内容の問い合わせでも構いません。
ご連絡お待ちしております。

info@shimosakaa.net

070-7621-8949

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